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宇治茶手もみ製茶技術(宇治製法)

出典:「宇治茶手もみ製茶技術」 京都府茶業会議所ホームページ

 手もみ製法は、元文3年(1738年)に宇治田原町の茶農だった永谷宗圓が発案。従来の茶に比べ色、香り、味ともに優良だったため、全国に広まり、今日の宇治茶手もみ製法に発展しました。その貴重な技は、宇治市の無形文化財として、宇治茶製法技術保存協会によって保存され、受け継がれています。

 また、平成13年には宇治茶製法技術保存協会をはじめとする京都府内にある5つの保存会によって「京都府宇治茶製法手もみ技術保存会連絡会議」が結成され、京都府における「宇治茶手もみ製茶技術」の伝承・保存活動はさらに飛躍していくことになります。

 そして平成21年には、こうした活動内容が京都府教育委員会から認められ、京都府指定無形文化財の無形民俗文化財にも指定をされました。

宇治製法の伝統技術は、現在の機械揉みにも受け継がれています。
機械製茶は、手揉みの工程をベースに機械化されています。

手揉み 機械揉み
1.蒸し
摘み取った新芽を蒸籠に拡げ、充分な蒸気で均等に蒸す。そして、蒸し上がった葉をうちわで扇ぎ、冷やしながら蒸し露を取り除く。
蒸機
2. 茶切り(露切り葉乾き) 約25分
蒸した茶葉約3kgを使用。葉を助炭面に擦り付けないようにかき上げ、30~40㎝の高さから振り落としていく。葉が重ならないように、素早く均等に行う。
3. 横まくり(回転) 約1時間30分
助炭全面を使って、最初は軽く転がし、乾燥するのに応じて次第に力を入れていく。最後の20分程は、特に力を入れてもむ。
粗揉
4. 玉解き 約5分
左右に素早く手を動かして、横まくりで出来た塊を解す。
5. 中上げ 約10分
茶葉を一旦ボテに上げ、葉を冷やし水分を均一にする。この間に、茶葉の小さな塊も丁寧に解しておく。また、助炭の汚れ を綺麗に拭き取っておく。
6. 茶揃え(中揉み、揉みきり) 約30分
「揉みきり」と「片手まくり」と呼ばれる揉み方を交互に行うが、片手まくりは十分に力を入れて、一工程7回以上行う。こより状に細長くなって来た茶葉の方向を揃えるように注意する。
揉捻
7. でんぐり(アイセイ) 約20分
葉の蒸れと上乾きを防ぎながら、形と香味を良くする工程。両手で茶を軽く持ち上げるように、左右交互にもんでいく。茶に丸みを付ける感じで、最初は軽く、乾燥するのに応じて力を入れていく。
中揉
8. 板ずり(かまち、仕上げ揉み) 約50分
宇治製法だけに見られる、最終仕上げの工程。板を使って揉み、茶の形状を丸く細く伸ばし、色艶と香気を良くする。
精揉
9. 乾燥 約40分
揉み上がったお茶を助炭一面に薄く広げ、しっかり乾燥させる
10. 仕上がり
優れた手揉み技術で製茶されたお茶は、細く長く揉み込まれ、艶のある深い緑色をしている。