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木津川市

木津川市域の宇治茶の生産景観

木津川と奈良街道が交差する地に位置する上狛には、水陸両交通の結節点としての地の利を活かした茶問屋街が形成されている。煎茶の生産拡大にともなって形成された茶問屋街であり、宇治茶生産の変遷過程を反映している。

○山城町上狛

木津川と奈良街道が交差する地に位置し、木津川水運と陸上交通の結節点としての地の利を生かした茶問屋街が形成された。奈良街道の木津川渡河点にはかつて泉橋が架けられていた。

かつては綿業を商う集落であったが、幕末からの煎茶の輸出拡大にともない茶生産地への近さと木津川水運を利用できる地の利を生かして順次茶業へと転換し、茶業集落が形成された。煎茶の販路が国内向けとなってからも茶問屋街として栄え、現存する茶問屋の建物は、幕末建設のものから大正、昭和初期に建設されたもの、戦後の鉄筋コンクリート造の茶工場まで多岐にわたる。

奈良街道を中心に、その背後を含めて面的に茶問屋街が広がっている。敷地は間口が広く、古くは間口一杯に茶工場を配し、大正期頃からは正面に長屋門を構え、中央に庭を設けて茶工場と主屋が囲む配置を採る。路地に入ると、焼杉の腰板を貼った茶工場や土蔵に囲まれた独特の景観を見せる。

茶問屋