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城陽市

城陽市域の宇治茶の生産景観

城陽市域は宇治郷に栽培が限定されていた覆下茶園が19世紀以降に拡大され、碾茶及び玉露が生産されるようになった地域である。木津川を挟んだ対岸の八幡市とともに、河川敷に営まれた茶園と近隣の集落が宇治茶の展開過程を体現している。

○上津屋

地理

城陽市域西部を流れる木津川沿いの平地に立地する茶業集落である。木津川の氾濫原であったために水はけのよい砂地が広がり、微高地に位置する集落の周囲に茶園と水田が営まれる。対岸の八幡市上津屋とは、かつては一体の集落であったが、木津川の流路変更に伴い2集落に分かれた。

歴史

宇治市域に隣接していることから、早くから茶生産が伝播し、17世紀中期には市域に茶園があったことが確認されている。かつて宇治郷に限られていた覆下栽培は、19世紀以降木津川流域に広まったが、本地域はその典型例である。

景観

木津川の河川敷に本簀や寒冷紗を用いた覆下茶園が広がっている。河川敷の平坦で水はけの良い砂地を利用した覆下茶園からは、松葉を思わせる濃い緑を持つ独特の碾茶が作られる。集落内には木造の碾茶工場などの茶工場が点在し、河川と生活・生業が一体化した姿を見せる。

木津川河川敷に広がる覆下茶園